上の写真の工具は、リークダウンゲージと言います。
他のバイク屋さんではあまり見かけない工具かもしれません。
これはエンジンの圧縮上死点時の圧縮漏れを測定するための工具になります。
どこのバイク屋さんも持っている圧縮圧力計よりも、より正確に測定する事が可能です。
今回は5万キロオーバーのT-MAXで測定しました。
まずはゲージに、測定前の儀式を・・・
ゲージ単体で「0」に針が来るようにセットし、スパークプラグの取り付け部にホースをセット。コンプレッサーからの圧縮空気を、リークダウンゲージを通してエンジンに送り込みます。
結果はリーク率2.5%位で、正常と判断できます。(5%までが正常な範囲となります。)
仮に異常な値を示しても、圧縮漏れ=エア漏れとなりますので、音を聞けばどこが原因で圧縮漏れをしているかを、エンジンを分解せずにおおよその予想が可能となります。
余談ですが、ドゥカティエンジンの特徴的な機構であるデスモドロミックでは、圧縮圧力計が正常値を示しても、リークダウンゲージで測定すると異常な値を示す場合があるそうです。
(症状や原因は伏せておきますが・・・)
調子のいいエンジンには3条件有ると言われ、その中の1つが「良い圧縮」。
今回はカムチェーンテンショナー交換時に作業工程短縮のため、1番シリンダーが圧縮上死点か排気上死点を探るためにリークダウンゲージを接続しましたが、結果としてよい結果が見られ良かったです。
スパークプラグ交換時や車検時、エンジンクリーニング「RECS」施工時等は、エンジンの健康状態を確かめる良いチャンスだと思います。
走行が多くなって不安がある方、エンジン不調気味な方はぜひ当店にご相談ください!
経験や勘だけに頼ることなく、出来るだけ論理的に不調原因を探って診断していくのが当店の特徴です!