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執筆者の写真Hirofumi Saito

クラッチレリーズの不具合と余談


よく不具合を起こしている、クラッチレリーズのフルード漏れの修理を承りました。

油圧のクラッチを使用しているのは大型車が多いですが、その中でもカワサキ車、ヤマハ車は体感的に特に多いような気がします・・・。

ピストンを抜けば、こんな感じ。

マイクロリューターを使用し、磨いてキレイに。

ピストンとシールは新品に交換しました。

組み付けの際はこのような部分に適した潤滑油を使用します。

クラッチレリーズで関連する話としては、輸入車に乗っているお客様に「クラッチをどうにか軽く出来ないか?」と相談されるケースが良くあります。

輸入車の場合は日本の道路状況と違うためか、クラッチスプリングを性能優先で選択しているのがその理由だと思います。

お客様も色々調べてこられていますので、その中で「レリーズを社外品に交換したい」と言われるケースが多々ありますが、私個人としてはあまりオススメしておりません。

クラッチレリーズはパスカルの原理で作動していますが、私の知っている限り、社外品の軽くなるクラッチレリーズはピストン径を大きくする事によって軽くしています。

上の画像はネットで拾ってきた画像ですが、左側がマスターシリンダー側、右側がレリーズ側、それをつないでいる物がクラッチホースに置き換えて考えてみるとどうなるか分かりやすいでしょうか?

レリーズのピストン径が大きくなると言う事は、作動する距離が短くなる(この図でいけば5cmがそれよりも短くなる)のが想像できると思います。

「クラッチレリーズの作動する距離が短くなる=クラッチの切れが悪くなる」となりますので、ミッション操作に支障が出てしまう可能性が高くなります。

多分感じやすいのは、ニュートラルの出し難さかなと思います。

もちろん、社外品のレリーズを開発する時にはこのあたりのギリギリのバランスを計算して開発しているのだとは思いますが、私ならこれらの理由で選択しません。

なので、お客様からこのような相談をされた時には、レリーズ交換よりマスター交換のほうが効果を得られやすいと説明させていただいております。

その中でもブレンボのラジポンは最も効果が感じられると思います。

導入のコストは上がってしまいますが、考えようによっては乗り換えた際に次のバイクに使用出来る可能性がありますので、これもメリットかもしれません。

当店では社外品を一概に否定しているわけでもありませんし、肯定しているわけでもありませんが、特に機能部品に関しましてはお客様に最大限のメリットを提供したいので、そのあたりのご説明はきっちりさせていただいております。

現在、社外部品の10%オフのスプリングプロモーションを行っていますが、梅雨明けまでの予定です。

タイヤ、チェーン等の消耗品やこのようなカスタムを行うなら今がチャンスですよ!

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